太宰治に井伏鱒二、徳富蘇峰も…御坂峠遠望「まるで注文どうり」の富士山(産経新聞)

 東海道から甲府へつながる「鎌倉往還」の途中に「御坂峠」がある。山梨県富士河口湖町と笛吹市にまたがる「御坂(みさか)峠」。昔なら東海道から甲府へつながる鎌倉往還の途中で、現在は国道137号の旧道となる。富士河口湖町側の新御坂トンネル手前から旧道に入り、車で15分ほど進むと、格別の富士山がそびえる。この眺望に旅人の心が洗われるのは今も昔と変わらない。作家、井出孫六氏は昭和57年出版「日本百名峠」でひとつに数えている。

■まるで風呂屋のペンキ画…

 昭和の始めに「御坂隧道」ができ、脇に茶屋ができた。

 この茶屋から眺める霊峰は大空に浮かぶかのようにそびえる。

 真下には河口湖が箱庭のように存在する。文士たちはこの景色に酔った。

 茶屋は昭和9年創業で「天下茶屋」といい、現在も営業中。創業当時、「富士見茶屋」とか「天下一茶屋」といったらしいが、徳富蘇峰が茶屋を新聞で「天下茶屋」と紹介したことで、この名が世に定着したという。

 太宰治はこの絶景を「まるで風呂屋のペンキ画だ。どうにも注文どうりの景色で」と「富嶽百景」に書き残した。

 霊峰が均整のとれた姿をみせている証だろう。

■太宰のテーブルと火鉢がいまも…

 太宰は師、井伏鱒二を追って昭和13年9月13日、天下茶屋をたずねた。

 甲府市からバスに1時間ほど揺られて着いた。

 茶屋の店員さんにたずねると、「富嶽百景」に登場する「おかみさん」は茶屋の初代主人、外川(とがわ)政雄さんの妻、ヤエ子さんを指し、「娘さん」はヤエ子さんの妹だと教えてくれた。

 井伏の薦めで太宰も天下茶屋に滞在。2階の一室でたばこをくゆらせ、「火の鳥」の執筆を始めたといわれる。

 太宰が使ったテーブルと火鉢はいまも茶屋に残る。

 太宰が茶屋に滞在したのはその年の11月15日まで。厳冬期の富士山をみていない。

 みてもまた「風呂屋のペンキ画」といっただろうか。(牧井正昭)

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